私は古着が大好きだ。
社会人になって出張が多々ある中で、出向いた先でご当地の美味しいものが食べたい、有名な観光地に行きたい、ちょっと女遊びしてみたい、そんな気持ちは毛頭無い。行きたいのはいつだって古着屋。九州に行けば天神に、大阪に行けばアメ村に。名古屋に行けば大須商店街に。時間が少しでもあれば昼飯すっぽかしてでも古着が見たい。その土地にどんな古着屋があって、どんな店主がいて、どんなお客さんがいて。そしてどんな古着がそこにいるのか。発見したい。出会いたい。そんな想いでいつも出張に出かける。
初めて古着のカッコ良さに気付いたのは15歳の時だった。同級生と隣の市の古着屋に初めて行った。初めて古着屋に入った時、その独特の雰囲気にとても魅力を感じたのを今でも覚えている。単に衣類が並んでいる、それ以上の何かがそこにあるように思えた。ここに並んでいる衣類をまとえば、自分は特別な何かになれる気がした。
それからというもの、古着に魅了されて私服で身につけるものは古着ばかり。
高校生、大学生と年を重ねるにつれて、使えるお金が増え、移動範囲も拡大し、得る情報量も増えた。その中でより多くの古着に出会い、自分のものにしてきた。そんな今でも初めて古着のカッコ良さに気付いた気持ちは忘れていない。自分のドキドキは年をとっていない。
「ホールケーキとチキン南蛮」は私のお気に入りの古着を一方的に紹介する日々の記録だ。私の心に響く、いつだって調子のいい古着たち。いつも寄り添ってくれる私の相棒。一着一着に思い出がある。
そんな、自分にとっては無くてはならない古着たちを、どうかホールケーキとチキン南蛮と同じくらいテンションのアガるものだってことを多くの人が思ってくれるようにと、日々更新しようと思う。
ピシッと着こなすスーツもかっこいいけど、その人にしか似合わない素敵な古着が必ずあるはず。
ただの自己満だけど、古着のかっこよさにビビッときてくれたら嬉しい。
そしていつか雰囲気のあるオッサンになれたとき、ポパイの古着特集に掲載されたい。